コラム
漢方薬剤師 masayo「カラダも一日にして成らず」

漢方薬剤師 石井雅代

Vol.8 自律神経・ストレス

 今回のお便りのテーマは「自律神経・ストレス」です。これらは、季節の変わり目などの変化と大きく関係があります。また自律神経は、身近にある様々な症状へつながっていますので、皆様の今後の体調管理に役立てて頂ければと思います。

 環境などの変化には、これから迎える卒業・入学・入社や引っ越し、結婚・出産などの人生のイベントの他、加齢そのものや思春期・更年期などの年代によるホルモンの変化、睡眠や運動の不足や過剰、不規則な食事なども含まれます。

 変化は身体にとって負荷=ストレスとして受け止められ、自律神経に影響を与えます。

 ストレスは一般的に、交感神経を急激に活性化させ、その後ゆっくりと副交感神経を活性化させます。

 例えば、緊張や驚きなど急な気持ちの変化の時は、心臓がすぐにドキドキしますが、その後安心が得られても、徐々にしか脈拍が戻らないのはそのためです。副交感神経の働きは、徐々にしか変化しない!ここがポイントです。

 また交感神経と副交感神経は、片方が活発な時、もう片方が抑えられるというバランスで働いています。過度なストレスは、交感神経を過剰に高め、副交感神経の働きを鈍くさせます。これが「アンバランス型」の状態です。

 ストレスは、さらに進むことで自律神経全体の働きを低下させ、「アンバランス型」から「トータルパワー不足型」、またその「混合型」へと変化していきます。

 この時、私たちの体には自律神経の変化が、様々な症状として伝えられます。交感神経優位による、血管収縮からの高血圧や血行不良(末端冷え症や頭痛)・感情の高ぶりによるイライラ。パワー不足による疲労感やメンタルの不安定、副交感神経の働きの悪さによる不眠なども、それらの症状の一部です。

 多くの人は、自律神経が乱れやすい環境で生活しています。私たちにできることは、乱れてしまった自律神経をそのままにせず、整えることです。

 ここからは、「頭痛」と「睡眠」を通じて自律神経を整えるためのケア方法を紹介していきます。

◆頭痛

 代表的な頭痛に、血管が拡張して起こる「片頭痛」と血管が収縮して起こる「緊張型頭痛」があります。

~片頭痛の対処法~

【頭痛時】なるべく刺激を与えないことが大切です。アイマスクなどで光を遮断したり薄暗い部屋で横になりましょう。血管が拡張するのでお風呂などの温める行為はNG! 逆にこめかみを冷やしたり、コーヒーや緑茶などのカフェインを摂ると、血管が収縮され効果的です。

【予防】普段から血管が収縮している=交感神経が優位の状態が続くと、反動により頭痛が強くなります。意識的にリラックスすることを取り入れ、自律神経を整えておくことが必要です。

~緊張型頭痛の対処法~

【頭痛時】血行を良くしましょう。体を温め筋肉の緊張をほぐすことで、筋肉内の血管が拡張しやすくなります。

このとき頭痛薬を使うと一時的に痛みを感じなくなりますが、頭痛薬による血管収縮作用により、その後頭痛が強くなる事もあります。

【予防】普段から血行を良くしておくことが必要です。長時間同じ姿勢をとる仕事やスマホ・ゲームなどは間に休憩をとったり、姿勢を正すことで余計な筋肉の緊張を防げます。また、入浴やストレッチなども効果的です。

 また、頭や顔を軽く叩く「タッピング」は、体の緊張をほぐし疲労感をやわらげてくれます。また、一定のリズムが自律神経を整えてくれます。いずれのタイプの頭痛でもOKですが、頭痛時ではなく、仕事や作業の合間にリラックスしてやってみましょう。

◆睡眠

 早めにベッドに入ったのになかなか寝付けない、たっぷり寝たはずなのに寝起きがスッキリしないなど、睡眠の質が良くない方も多いのでは?睡眠の質を左右するのもやはり「自律神経」です。質の良い睡眠に必要な条件は2つ。

①副交感神経が寝ている間にしっかり働く事。

②交感神経と副交感神経の働きがスムーズに入れ替わること。

 前でも説明した通り、副交感神経は緩やかにしか働きが上がりません。寝る直前にスイッチを入れるのは難しく、就寝時間の3時間ほど前から意識して高める必要があります。

~快眠のケア方法~

【日中】眠りを誘うホルモン「メラトニン」は起床時に日光を浴びてから14~15時間後に分泌されます。また日中は交感神経を適度に活性化させましょう!

【夜間】眠りにつくまでの3時間は呼吸をゆっくりと整えます。携帯やテレビを控えたり、電気を光を抑えるのも効果的です。